中国青年報 4月26日号記事概略
「これは賠償金であって、
被告による慈善行為ではない」

―初めての“花岡和解”をテーマとしたシンポジウムが北京で開催された―

 4月24日、北京で花岡和解をテーマとするシンポジウムが開催された。中国社会科学院法学研究所・日本問題研究所・外交学院・北京大学歴史系・精華大学法律系・中国国際関係研究所などの大学・研究機関から専門研究者が出席した。
 花岡訴訟は第二次大戦で受難した中国人が日本に提起した最初の賠償請求である。中国側の奮闘と日本側の友好人士との10年以上におよぶ相互協力によって、この事件は2000年11月にようやく和解が成立し、中国の受難者は5億円の賠償を獲得した。
 シンポに出席した研究者らは、花岡和解は日本企業が中国の強制連行受難者に対して行った初めての実質的な賠償であり、アジアにおいても最初の例であること、この度の和解は東京高裁が主導しその確認の下で実現したものであり、一定の法律的な意義を有していること、この和解は東京地裁が下した時効を理由とする一審判決を事実上覆すものであること、東京高裁の裁判官は被侵略国の市民の戦争損害賠償問題について、日本政府による従来の主張よりも前進し、国際的な流れに沿った判断を示していること、などの認識を提示した。
 日本の法律体系に詳しい専門家は次のように指摘した。日本の『民法』には謝罪規定がないにも拘わらず、鹿島建設が歴史事実を認め謝罪した「共同発表」を、和解を通じて再度確認したのである。それ以外にも、少数の代表が提起した訴訟の和解を通じて、986名の受難者全体の解決を成し遂げたことは、日本の戦後賠償史上初めてのことである。
 多くの研究者が指摘したのは、花岡事件の解決のために日本の友好人士や華僑が多年にわたり心血を注ぎ多くの代償を払ってきたことである。とりわけ日本の弁護士たちが、様々な圧力に屈することなく、奉仕の精神で無報酬のまま努力を傾けたことは、和解を成功させた重要な要因である。花岡受難者による賠償請求の闘いが成功したことは、侵略戦争を否定する日本の右翼勢力に対する強力な反撃にほかならない。花岡事件はすでに教科書にも取り上げられ、右翼勢力のメディアですら取り上げている。日本の各大手マスコミが花岡事件を代表とする中国人強制連行の歴史事実をこぞって報道しており、その歴史事実は日本社会の公認を獲得したといえる。
 席上、出席した法律専門家は和解条項の中で誤解しやすい点についてはっきりさせた。今回の和解が獲得した5億円は鹿島建設の謝罪を基礎にして得られたものであり、裁判所が確認しているもので、その性質は賠償金であって、決して被告の慈善行為ではない。鹿島建設が和解の後で一方的に発表した弁明のコメントは、法律的効力を有する本件和解を否定することはできない。
 また研究者たちは次のように指摘した。和解は法律的な一形式であって客観的には双方が互いに歩み寄って一致点を見出すものであるから100%満足ということは難しい。だからこそ、(主要な問題と枝葉の問題を区別して)枝葉の問題にとらわれないように注意し、全局から出発して和解の積極的な意義について正しく評価しなければならない。
 和解はあくまでも第一段階の勝利に過ぎず、日本による強制連行・強制労働問題など戦後に遺された日中間の問題を徹底的に解決していくためには「任重くして道遠し」といわねばならない。固く団結するとともに、日本の友好人士とも力をあわせ、この困難な努力を継続しよう。
 なお、聞くところによると今回の学術シンポは、中国の専門家により開催された花岡和解に関するはじめての会議であるという。
(訳出文責・「中国人強制連行を考える会」編集部)